真空計
真空計は測定対象の中に配置されることで精度よく測定できる一方で、汚染源によっては測定精度が悪化することがあり、測定結果の過誤が発生。適切な判断や制御に影響を及ぼします。
汚染源は測定対象から発生する物質や、制御や測定のためのセンサーや配線から発生するガスで、これが真空計に付着することが精度を悪化させる原因です。
プラスチック表面の蒸着等では、プラスチック可塑剤等の蒸発による汚染。真空装置内の配線、モータ、シール材等からは、有機性汚染ガスの発生による汚染。半導体製造装置では、有機金属原料ガスの付着やレジストなどが残留し汚染源となります。
これらの汚染は重大な問題を引き起こし、グリッドの汚染による問題では、エミッション電力の増大により感度低下・エミッション停止・フィラメント切れなどが発生する恐れがあります。
また、コレクタの汚染による問題では真空計の感度が低下することで、真空がよくなったと勘違いされがちですが、じつはフェール・セーフに働かないという問題が起きています。
ミラプロの真空計「タフゲージ」は、汚染源や使用環境の特性を踏まえて、測定精度を実現するラインナップを揃えています。
BA電離真空計 タフゲージ
BA電離真空計タフゲージはグリッド及びコレクタ電極を通電加熱して吸着性の高いガスを撥ね返しながら計測する新しい発想の真空計です。【特許技術】
真空装置内の汚染源である有機性ガス等の雰囲気中でも感度の低下を起こしにくく、長期間、精度よく測定することができます。
メンテナンスの手間・時間を削減し、装置総所有コストTCO(Total Cost of Ownership)を抑えます。

- 電離真空計 タフゲージ
- 機種 TG200
- 形状 トランスミッタタイプ
(圧力表示なし) - 測定範囲 1×10-7 Pa~10Pa
- 接続フランジ NW25、ICF70
複合真空計 タフゲージ
複合真空計タフゲージは、BA電離真空計とピラニ真空計を組み合わせた複合型の真空計です。
これ1本で大気から超高真空までの広範囲を自動的に切り替えながら計測します。
ピラニ真空計は温度計を内蔵して温度補正を行い、温度変化による誤差を低減します。
またピラニ真空計には耐腐食性の材料を使用、高真空ではBA電離真空計と同じくタフモードで動作しますので、汚染環境でも感度低下が起きにくく、長期間、精度よく測定することができます。

- 複合真空計 タフゲージ
- 機種 TG201CG
- 形状 トランスミッタタイプ
(圧力表示なし) - 測定範囲 1×10-7 Pa~1×105 Pa
- 接続フランジ NW25、ICF70

- 複合真空計 タフゲージ
- 機種 TG301CD
- 形状 トランスミッタタイプ
(LED表示付) - 測定範囲 1×10-8 Pa~1.2×105 Pa
- 接続フランジ NW25、ICF70
コールドカソードタフゲージCCTG
コールドカソードタフゲージCCTG(Cold Cathode Tough Gauge)はカソード電極を加熱することで、従来は対応できなかった電極汚染の防止、超高真空領域での安定放電を実現しました。
また、カソード材質にセラミックを採用したことにより、従来にはない耐腐食性を兼ね備えました。
今まで計れなかったハロゲンガス雰囲気の圧力を計測することができます。

- コールドカソードタフゲージ
- 機種 CCTG200C
- 形状 トランスミッタタイプ
(LED表示付) - 測定範囲 1×10-8 Pa ~ 0.1 Pa
- 接続フランジ NW25、ICF70

- コールドカソードタフゲージ
- 機種 CCTG110S
- 形状 形状セパレートタイプ
(LED表示付) - 測定範囲 1×10-8 Pa ~ 0.1 Pa
- 接続フランジ NW25、ICF70
用途
真空蒸着装置、エッチング装置、スパッタ装置、電子顕微鏡、イオン注入装置、質量分析装置、LPCVD装置、有機EL材料精製、加速器等